わが子のように愛情をかけて育みます

近代的な豚舎の中でも細かな目配りは、大切です。豚たちの呼吸、食欲、体調の変化を細かく観察し、わが子のように心を配ります。豚たちが健康で快適に過ごせるよう多岐にわたる作業は担当スタッフ全員で共有。総合的な技術力の向上も図っています。それぞれの役割と連携強化のための学びと研鑽に励んでいます。

スタッフ皆で力を合わせて、小さな命の母のように

免疫グロブリンをたっぷり含んだ初乳を生後4時間以内に飲ませます。健康な子豚を育てるために、初乳を飲ませて免疫力を付与するのです。その後、弱い子豚や小さい子豚を見分け、別の母豚にあてがいます。安全に授乳を行える里子管理は健やかな子豚を育てるために大変重要です。豚の出産では、一回一頭当たり10頭程の赤ちゃん豚が誕生します。出産時は社長の道上裕治の妻・直美をリーダーにスタッフ全員で力を合わせ、世話を行います。繁殖スタッフ全員が豚たちの助産師のような存在です。母豚と小さな命のダイナミズムに皆の気持ちも明るく、優しくなるようです。

母豚も温泉水で綺麗にしてから分娩する
母乳をきちんと飲めるように目を光らせる

豚たちがリラックスできる
心地よい環境への独自の工夫

赤ちゃんの頃から出荷まで、豚たちは同じメンバーで過ごします。群れて行動する習性のある豚たち。繁殖舎から肥育舎へ移動後も気心の知れた豚同士だから寛いで過ごせます。肥育舎には幅3メートル以上ある餌箱を設置し、移動当初は豚たちが揃って、いわば食卓に着けるよう配慮。環境の変化によるストレスを軽減しています。また飲用水として源泉かけ流しの温泉をくみ上げています。アニマルウェルフェアの観点からも快適な環境づくりに尽力。「健やかな豚を育むのは心地よい環境」と最新技術やデータをチェック、現場への反映に努めています。

私たちのいのちをつないでくれている豚への感謝と供養

毎年初夏に社員一同で行う畜魂祭。豚への感謝の気持ちとともに御霊をなぐさめ、これから1年間の作業の無事を願うものです。神主の祝詞に合わせ、玉串を奉てんし畜魂に祈りを奉げます。 「いただきます」という言葉の語源を紐解けば、神仏に供えた物を飲食する際に、頭上に載せるような動作をしたことに由来するのだとか。他にも「野菜や動物の命に感謝の気持ち、食事を整えてくれた人、食べ物を作ってくれた農家への感謝をあらわしたもの」という説もあります。豚たちに感謝するとともに、食べ物の尊さに思いをはせる機会でもあります。